更年期障害

■更年期は、心とからだの転換期
症状がつらい場合、遠慮なく恥ずかしがらずに、専門医からアドバイスを受けてください。障害の程度が進んで病気になってしまってからの治療には、費用と時間が掛かり、その結果完全に直らないことも有ります。異常を初期のうちに見つけ、予防するほうがはるかに有利です。過労を防ぎ、栄養のバランスに気を配ります。 場合によっては、女性ホルモンの不足を補う「ホルモン補充療法」で、障害の予防や症状を改善することも出来ます。
更年期を迎えたら、女性ホルモンの減少でからだの環境が大きく変わります。更年期症状の自己チェックをしてみましょう。
  1. 顔が火照る。
  2. 汗をかきやすい。
  3. 腰や手足が冷えやすい。
  4. 息切れ、動悸がする。
  5. 寝つきが悪い、眠りが浅い。
  6. 怒りやすく、イライラする。
  7. くよくよしたり、憂鬱に成る。
  8. 頭痛、めまい、吐き気がよくある。
  9. 疲れやすい。
  10. 肩こり、頭痛、手足の痛みがある。
  11. その他 …性交痛はありますか?、膣が乾きますか?トイレに間に合わなくて尿がもれる、知らないうちに運動や咳、くしゃみの時に、尿が漏れる。
  12. 物忘れを感じますか?

■更年期、いつ、どんなことが起きるのでしょう?
卵巣の働き「排卵やホルモン分泌」は40歳代に入ると、50歳代の閉経(月経が1年間に渡って見られない状態)に至るまで、次第に低下し始め、やがて停止します。更年期は、45歳頃から閉経を経て安定する55歳頃までの期間を言います。
<自分で感じるからだの変化>
  1. 排卵が不規則になり、月経が不順に成る。閉経する。
  2. 自律神経が乱れてくる、物忘れが気になる。
  3. 精神・神経症状が現れる。
  4. 体重が増加し、脂肪が蓄積して体型が変わる。
  5. 皮膚のしわ、たるみ、しみなどが増える。
  6. 膣内の粘膜が薄くなり、潤いが無くなり、膣炎が起き易くなる。
  7. 骨量が減少する。
  8. 動脈硬化を来たし易くなる。
  9. 尿失禁、頻尿などが現れる。
男性にもある更年期。女性に見られるような急激な変化は有りませんが、加齢による全身の機能低下は避けて通れません。男性も変化の時期と自覚し、お互いを理解する為夫婦で受診するのも良いでしょう。

■特に知っておきたい症状と障害
<脳の加齢変化>
~物忘れや健忘症…それには~
  1. 規則正しい生活と、バランスのとれた食事。
  2. からだや脳を生き生きさせる為に、手足を動かし、運動を生活に取り入れる。
  3. 積極的に人とふれあい、会話し、感動を表現する。
  4. 社会活動に積極的に参加し、生き甲斐を実感しましょう。
<動脈硬化>
~女性ホルモンは、血液中の悪玉コレステロールを低く抑え、善玉コレステロールを増加し、血管壁が硬く老化することを抑えています。…それには~
  1. 1年に1~2回定期的な健康診断を受け、具体的な改善策を実行する。
  2. 飲酒を控え、動脈硬化を促進する喫煙はやめる。
  3. 栄養のバランスに注意し、肥満を避ける。
  4. ストレスは血管を緊張させ、血流を妨げる元になるので、上手に開放しましょう。
<骨粗しょう症>
~更年期までに、十分な骨量の蓄えが無い女性では、閉経後に急激に骨量が減少して、骨折の危険性が大きくなる。…それには~
  1. 骨量の測定結果を元に、積極的に予防に取り組む。
  2. カルシウムやビタミンDの多い食事を取る。
  3. 日差しを浴びて歩きましょう。1日20分、週2~3回、汗をかく程度が目安。
<尿失禁>
尿道口付近や骨盤底の括約筋が加齢による変化を起こし、女性ホルモンの減少で膀胱の粘膜や括約筋が萎縮してくるため、尿意を抑え切れなくなり、尿漏れを起こす。

<セックスのこと>
接触や挿入時に痛みを感じたり、辛いと感じる時、潤いが不足しております。パートナーに自分の状態を伝え、潤いを補うゼリーを用いたり、ホルモン補充療法も性生活の改善に有効です。

■更年期のヘルスケア(食事・休養・運動)
(1)食事~バランスが何より大切~
  1. 適正なエネルギーを摂取する。
  2. 良質の蛋白質を十分摂る。
  3. 脂質の摂取をひかえる。
  4. ビタミンやミネラルを十分摂る。
  5. バランスのとれた食事を規則正しく摂る。
(2)休養~からだと心のバランスを整える~
<よりよく眠るために>
  1. 自分にあった睡眠時間の確立、就寝時間を午前0時以前に。
  2. 起床時間を決め、必要以上に長く寝床にいない。
  3. 適当な運動で適度な疲労を。体操やマッサージで緊張を解き、心身ともにリラックスする。
  4. 空腹・満腹を避ける。カフェイン、過度のアルコールを避ける。空腹なら温かいミルクを。
  5. 就寝前にぬるめの風呂で、ゆっくり入浴する。
  6. 眠る環境を整える。(騒音、温度、湿度、寝具など)
  7. 眠れないことへのこだわりを無くす。
<ストレス解消のために>
  1. 目の前にあることは一つずつこなして行く、一度に一つのことだけ考えよう。他のことには気を使わない、決心する事に意味。
  2. 悩みは親しい人に相談、自分の気持ちを話すことが重要。
  3. 思い立ったら吉日、決心したらすぐ実行。
  4. 趣味の時間を作ろう。自分のための時間を一日30分。
  5. 入浴や軽い運動で、からだをリラックス。
  6. 体調を整えるために、生活のリズムを守ろう。
  7. 仕事の持ち帰りは止める、気持ちの切り替えがストレスを開放する。ストレスが溜まっている事を自覚し、自分の体調や心の状態に気付きましょう。
  8. 嫌な事は「放っておく」感覚を身に付けよう。打ち消そうとせず浮かんできたまま「放っておく」感覚です。
(3)運動~年代と目的に合った運動を選ぶ~
安全に行えることか第一、楽しく長続きするものを選ぶ。 運動の効果に幅が出るので、いくつかの運動を組み合わせる。

主な診療内容

プラセンタ療法

月経前緊張症

更年期障害

低容量ピル

緊急避妊用ピル(アフターピル)

性感染症

症状からの漢方処方

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